私が勤めていた会社の事務の女性が退職したらしい。
今も連絡をとっている社員さんから連絡があった。
かなり急に辞めたそうで。
「送別会してあげるの?」
「いや、俺は知らないけど、あの人は人気ないから誰もしないんじゃない?」
確かに私もいい思い出がない。
何度も対立した。こちらにも落ち度はあるのだろうが。
本人は「私はできる!」と思っているタイプ。
実のところ、自分の都合のいいように仕事をしているだけで、大して仕事はできなかった。
みんながそう思っていたので、私の勘違いではないだろう。
「送別会もないとはかわいそうに、試しに電話かけてみようか?」
「まじか?まあ好きにしたらいいんじゃない?俺は行かないよ。」
だろうね。
しかしながら、彼女も15年ほど勤めた会社だ。
誰にも送られないとは、あまりに寂しい話じゃないか。
過去には対立したが、会社を辞めれば、立場の上下もない、ただの人だ。
電話をかけた。
突然の電話にびっくりしていたが、嬉しそうだった。
「送別会でもしようか、そっちの県まで行くよ」
有志が2人集まり、送別会を開くことになった。
終わりに
4月に入ったばかりだが、今年すでに4、5人辞めたらしい。
原因は社長だろう。
従業員はいい人が多く、先代の社長の時はとてもいい会社だった。
今の社長に交代してから一変した。
私も社長が原因で辞めたクチだ。
いろんな状況で辞める人がいるが、会社によって辞める理由は似通っている。
この会社の一番の原因は、仕事が多すぎるから。どれだけ働いても報われない。
実際は他の会社より給料は高いし、報われていないことはないんだけどね。
どれだけやっても、もっと働けと言われる。
みんな限界ギリギリで働くようになり、次第にギスギスしてくる。
余裕がなくなるからだ。
やがて体力と精神力の限界がくる。
で、限界が来たら辞める。
彼女はそれだけではなく、最近入った上役からのパワハラもあって、辞めるに至ったようだった。
会社は、人の集まりだ。
そういう意味では辞めても補充すれば、元通りだ。
しかし、それではいずれ立ち行かなくなるだろう。
あまりに魅力がない。
能力の高い人間が、魅力がない会社に生涯勤めるとは思えない。
どんどん仕事のできない人間の割合が増えていき、徐々に衰退していくだろう。
社長は今生の春を謳歌しているようだが、私からは裸の王様に見える。
さて、次は誰の送別会を開くことになるのやら。
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